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活動報告

東大IHS×阪大RESPECT合同企画「『共生』の定義を考えよう」のご報告


2017年3月6日から3月8日、東京大学IHSプログラムの7名の履修生と本プログラムの4期生の佐々木美和さん(人間科学研究科 博士前期課程2年)、松本渚さん(文学研究科 博士前期課程2年)らが中心となって、学生合同企画として、「『共生』の定義を考えよう」を開催しました。3日間の長丁場でしたが非常に盛り上がり、有意義な機会となったようです。以下、松本さんからの報告です。

東大IHS×阪大RESPECT合同企画 『共生』の定義を考えよう

[写真 1]参加した東大IHSと阪大RESPECTのメンバー

[写真 2]初日のワークショップの様子

2017年3月6日から3月8日にかけて、東京大学IHSプログラムとの合同企画「『共生』の定義を考えよう」を実施しました。本企画の発端は、去る2016年6月11日・12日に行なわれた「多文化共生社会6大学交流会──多文化×異分野が拓く新たな知」での出会いです。より深い議論を行ないたいと考えたメンバーが集い、共生についての勉強会を企画するに至りました。第一回目の今回はテーマを「『共生』の定義を考えよう」に定め、東京大学の大学院生7名が大阪へと足を運んでくれました。

初日は、分野横断的な個々人のバックグラウンドを知るために自己の研究と「共生」とのつながりについて個人発表を行ないました。ここでは、これからの日本の社会のありようを考える「共生」と格差が出やすい災害時の「共生」という大きく分けて2種類の共生があるのではと考えることになりました。一概に「共生」と言っても、視点や立場、状況が変われば「共生」のもつ意味合いが変わります。定義不可能論と定義無意味性という重要な観点も挙げられました。つまるところは当事者間の問題であり、包括的かつ一義的な定義を見出すことは困難であるように感じます。しかしその一方で、視点や立場が違うことで議論を止めず、あらゆる視点や立場が現実の世界につながっていること、そしてそれぞれが協働することには非常に大きな意味があることについて、考えつづけ、実践しつづけることを共有しました。

2日目は、午前中に映画『その街のこども』を鑑賞し、阪神・淡路大震災と震災後の多文化共生の興りについて共有しました。お昼には特定非営利活動法人国際交流の会とよなか(TIFA)からのデリバリーランチをいただきました。TIFAカフェ・サパナは地域に住む外国人が日替りで「母国の家庭料理」を提供する、まったく新しいスタイルのカフェです。家庭料理のプロである各国のお母さんが、自国の伝統をまもりながら食材を工夫してつくるイラン料理はほっとする美味しさでした。午後からは、『共生』について条件を挙げるなどして定義を仮定することにしました。16名の参加者を3グループに分け考えた内わたしの班では、市井における状態としての共生、政策的文脈における共生を考えました。

[写真 3]人と防災未来センターで渥美先生からお話を伺う

3日目は、阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターへ行き、人間科学研究科教授渥美公秀先生に出張講義をしていただきました。これまで話し合ってきた共生についての考えを基盤にしながらも、具体的な震災・防災界隈における一筋縄ではいかない現状を学ぶことになりました。

以上のように進んだ第一回の企画は、掲げたテーマの大きさや目的の共有などにおいて反省点も多くありましたが、「共生」についての前提や考えが深まり、異なるリーディングプログラム間で自主的に勉強会を開いていくことの意義を改めて共有することになりました。今後も継続して合同勉強会を企画していきます。次回開催は、2018年春を予定しています。

(2017年5月18日, 松本渚)

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