ホーム > 活動案内・報告 > 活動報告 > トロント海外研修2017(ペンテコステ教会班からのご報告)

活動報告

トロント海外研修2017(ペンテコステ教会班からのご報告)


 4月26日から5月8日の日程でカナダ・トロント大学を拠点に4期生のフィールド研修が行われました。現地では3班に分かれて活動しましたが、ペンテコステ教会班の林貴哉さん(文学研究科博士前期課程2年)からのご報告です。

多文化主義のおける教会の役割

[写真1]ペンテコステ教会(PIWC)

トロント研修では、3つのテーマを学んだ後、グループ別に最終発表を行います。私たちのグループは、2つ目のテーマの「Transnationalism, Migration and Religion: Home-making amongst the Diaspora」についての発表を担当しました。タイトル中のキーワードを大雑把に訳すると、「越境」、「移住」、「宗教」、「ホームの外でホームをつくること」となります。4月30日(日)に行われた2つのキリスト教の教会でのフィールドワークと、その翌日のギリッシュ・ダスワニ先生の授業を通してこれらの言葉のつながりが見えてきました。

日曜の朝の礼拝の時間にお邪魔したのは、ガーナ系の人びとが集うペンテコステ教会でした。ここでは、ガーナの言葉であるTwi語で礼拝が行われる部屋と、若い世代向けに英語で礼拝が行われる部屋に分かれています。礼拝の時間になると、雰囲気が一転し、音楽が流れ、歌が始まり、私たちも歩き回って握手をしました。周りの人と触れ合うことで緊張した気持ちが少しずつほぐれてきました。途中からダンスも始まったのですが、ここでリーダーがひとこと、「私たちはダンスをしに来たのではない。神と対話をしに来たんだ」と。教会というのは自分の故郷の国と今住んでいるカナダという2つの場所のどちらにいても変わらない、神との対話を行う場所なのだそうです。そして、ガーナの言葉で礼拝が行われている部屋があることや、英語の礼拝であっても同じルーツの人と会うことができる場所があるというのは、カナダという「アウェイ」で「ホーム」を作ることにつながっていると言えるのではないでしょうか。午後には、カリブ系の人が中心となっている、プログレス教会に行きました。地域社会にも開かれている教会で、キリスト教徒以外の地域住民を対象にした識字教室やバーベキューなどが開催されており、イスラム教徒の人でも食べられるハラール料理も用意しているとのことでした。ここでも様々な人を受け入れる「ホーム」を作ろうとする気概を感じました。参加したいと思う人は誰でも受け入れるというこの精神もキリスト教の教えに則ったものであるそうです。

[写真2]プログレス教会にて集合写真

私たちは、カナダで採用されている多文化主義の実態を知るためにトロントに行きましたが、教会に集まる人々の行動や言動から感じ取ることができたのは、教会に行って神と対話することがとても大事にされているということでした。教会で見たものは、多文化主義の実現のために人為的に作られたものではなく、人びとの活動が自然と共生の場になっているという多文化共生の姿のようです。授業では、理想の多文化主義の姿を考えましたが、そこでも重要なのは、「共生」を目指して新たなものを作ることではなく、同じ目的を持った人々が不自由なく集うことができる環境を大切にしていくことなのではないかと感じました。

 

(2017年6月1日, 林, 佐々木, 陳, 神谷)

« 活動報告 一覧へ戻る