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活動報告

ソーシャルイノベーション2013米国短期研修への参加報告


2013年10月24日(木)~11月2日(土)、ソーシャルイノベーション2013米国短期研修(新咸臨丸プロジェクト2013)に、本プログラムから、特任教授の樺澤哲と履修生の長澤理加(人間科学研究科博士前期課程1年)が参加しました。

 新咸臨丸プロジェクトは、本学の原点である適塾の「適塾精神」を継承し、挑戦からの創造を目指すグローバル人材の育成を目的としています。大阪大学サンフランシスコ教育研究センターを基点として咸臨丸就航150年の2010年度から毎年実施され、本年度は高度副プログラム:米国短期研修「ソーシャル・イノベーション」へと発展させて実施されました。今年度の参加学生は、人間科学研究科、理学研究科、工学研究科、基礎工学研究科、言語文化研究科、国際公共政策研究科、法学部、薬学部に所属する大学院生8名・学部学生2名からなる、女性2名を含む10名で構成されました。

MIIS: Monterey Institute of Global Studies

 本研修では、Monterey Institute of Global Studies(MIIS)にて、MIISの学生達と、日米学生討議を展開しました。討議においては、①日本の英語教育についての課題提起と解決策の提案、②海外からの旅行者促進策としてのFree WiFiサービスの提案、③研究成果を居眠り運転防止装置に適用するという提案、の3つのテーマを設定して、参加学生の専門分野に基づく多彩な視点で、日米での視点の違いやスタイルの違いなどについて討議し、夫々にプレゼンテーションにまとめました。カリフォルニア大学バークレー校(UCB)日本研究センター(CJS)およびシリコンバレーのSunbridge Global Ventures US社にて、日米学生討議のプレゼンテーションを英語で発表して、夫々の機関の関係者からフィードバックを得ました。これらのアクティビティーを通じて得られたアウトカムは、引き続き、夫々のチームエフォートとして検討を継続する見込みです。

MIISでの日本の英語教育についての課題提起と解決策の提案の様子

研修参加者と日米学生討議に参加くださったMIISの皆様

 UCB-CJSでは“Multicultural Coexistence in Local and Global Contexts: Challenges and Opportunities” というテーマで、未来共生プログラムのプログラム責任者である国際公共政策研究科長の星野俊也教授とCJS所長のスティーブン・ボーゲル教授の対談が実施され、当該研修の参加者も聴講して、「未来共生」への期待と挑戦について活発に議論を展開しました。

ボーゲル教授と星野教授の対談

 更に、シリコンバレーにあるIDEO 社スタンフォード大D-SchoolC3Nano社、パナソニックR&Dカンパニーアメリカ(PRDCA)社を訪問しました。IDEO社では、同社のモットーである”Don’t ask for permission, ask for forgiveness”と、そのマインドセットから生まれる様々なイノベーションのアウトカムに触れることができました。スタンフォード大D-Schoolでは、イノベーション創発の環境を体感しました。C3Nano社では、創業者がスタンフォード大博士課程学生の折に、どのように考えて創業したのか、創業に際してシリコンバレー・コミュニティとどのようなコミュニケーションを展開して支援を得たのか、についてヒアリングしました。PRDCAでは、多国籍研究者のマネージメントという視点で、組織運営に関する現状と挑戦課題についてヒアリングしました。北米地域で活躍している本学同窓生との交流会にも参加し、本学の先輩達との交流を通じて、グローバル環境で活躍することのワクワク感とチャレンジについての示唆を得ました。

IDEO社

IDEO社内部の受付エリア

D-Schoolのラボ

 本研修プログラムにおいて、樺澤は訪問先アレンジと履修学生の随伴を担当し、長澤は日米学生討議に参画して中心的な役割を果たしました。更に、長澤は、自身の研究分野についての調査活動として、サンフランシスコのアジア美術館およびサンフランシスコ北部のソノマ群在住のバティック収集家を訪問して、「インドネシアの伝統的染物バティック」についての意見交換しました。本研修を通じて、参加学生は、①英語でのディスカッション・効果的なプレゼンテーション方法の習得、②イノベーション創発環境の体感、③各種関連機関訪問による人的ネットワークの構築を達成することができました。

 

 

 

参加者(長澤理加)の感想

 私はインドネシアの伝統的染物バティックを研究対象としており、初め検討した訪問先はサンフランシスコのアジア美術館でした。カリフォルニアを初めアメリカ西海岸にはアジアからの移民が多く、特にこの美術館は東南アジア・東アジアの文化について充実した展示を行っています。美術館あてにメールを書いたところ、様々な人が親切に仲介してくださり、最終的にアンティークバティックの収集家とお会いすることができました。彼は19世紀後半から20世紀前半のバティックを収集しており、美術館から依頼を受けて貸し出すこともあるそうです。バティックはインドネシアがオランダ領の時代からヨーロッパを中心に輸出され、近年ではUNESCOの無形文化遺産として登録されたことからも、熱心な収集家が国を超えて一定数存在するということが分かりました。これまでインドネシア国内の視点で調査を考えていましたが、国外から調査することもできるという可能性を考えるにいたりました。この出会いを今後の研究につなげたいと考えています。

 今回の経験を総括すると、準備段階では異なる分野の学生とディスカッションし、考えをまとめるためのチームワークの重要性を学びました。また、現地の訪問先や学生同士のディスカッションでは、積極的に質問したり意見を述べたりすることが重視される文化に触れました。帰国後も継続して、意見を交わしたり、批評したりという広い意味での英語の研鑽が必要だと感じました。サンフランシスコ教育研究センターや訪問先の各大学、企業の方々と話すうちに、ソーシャル・イノベーションを目指す志に触れ、将来自分の目指す姿をより具体的に描けるようになったと感じます。

(本記事の作成にあたってe-squareから写真の提供を受けました。)
(2013年12月9日, 樺澤・長澤)

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