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活動報告

公共サービス・ラーニング:大阪府立刀根山支援学校


公共サービス・ラーニングでは受講生が学校、病院、自治体などの現場で実践家の人々とともに実際に様々な活動に従事して、多文化共生社会における実践的な能力を学ぶことを目的としています。大学院副専攻プログラム「未来共生プログラム」の履修科目として「公共サービス・ラーニング」を受講している島袋夏妃さん(人間科学研究科・博士前期課程1年)は大阪府立刀根山支援学校で活動しました。島袋さんからの報告をご紹介します。受け入れ先でお世話になったみなさま、ありがとうございました。

刀根山支援学校ってどんなところ?

[写真1]文化祭の様子

 私は2018年10月から4ヶ月間、大阪府立刀根山支援学校で週1回の活動させていただきました。同校は進行性筋ジストロフィー症及び類縁筋疾患のある児童生徒の個々の健康状態に応じた教育のために1984年に開校されました。大阪府には同校を含め病弱教育を行う支援学校が3校ありますが、どの学校へ在籍するかは児童生徒の家庭の住所ではなく、児童生徒が通院、または入院している病院の所在地によって異なります。それぞれの学校は病気のある子どもを支援するチームとしての役割があり、児童生徒、保護者、前籍校、教育委員会、病院といった各機関をつなぐコーディネーターとして大きな役割を果たしています。

 活動期間中には普段の授業や学校生活があり、中間考査や文化祭などの学校行事も行われました。校内には生徒がこれまでの行事で用いた横断幕、修学旅行や調理実習時の写真、生徒らが作成した作品など、多くの掲示物がありました。また教室内には学級目標や個人目標、生徒会の認証状などの掲示もあり、生徒の自主性を重んじる校風を感じました。例えば、1限の足湯の時間に交流会や文化祭の打ち合わせを生徒同士で行っていたり、体育の時間には慣れない私が参加しやすいゲームを生徒らが選びルールを教えてくれました。昼食時には、教員が生徒のお弁当のふたを開けようとした時や、お弁当に一緒に入っているフォークを取り出そうとした時に「自分でできるから」と、できる範囲のことを生徒自らが申し出たり、逆に教員に自分ができないことを生徒から頼むこともありました。同校の教育方針の一つでもある「児童生徒一人ひとりが、自分の病気・障がいを正しくとらえ、それにたちむかい生活をきり拓いていく力を育てる」が培われていることの表れだと思いました。特に家庭科の調理実習では、調理器具の扱いに困難がある場合、料理の手順などを生徒が考えそれを教員が行うというような工夫を行っているそうです。卒業後の生活のためにも必要な力が育まれています。

 最初はどのような役割を果たせるか不安でした。知的障がいや肢体不自由児童生徒の在籍する特別支援学校を訪れたことはありましたが、病弱支援学校での活動は初めてでした。病気の進行状況が異なる生徒を支援する教職員の方々の対応からは、多くのことを学ばせていただきました。一般校では見ることのできない風景も多くありました。普段の学校生活に関して細やかな支援があり、学校のみでなく保護者や病院など生徒に関わる全ての人々の連携があるように感じました。生徒らも教員に冗談を言ったりするなど、関係性がいかに豊かなものなのかが伝わってきました。これらの支援が、校長先生から伺ったパンフレット『病気の子どもの理解のために』に書かれている「病気のときでも教育はできます。病気のときだからこそ行うべき教育があります」であるように感じました。最後になりますが、教職員の皆様や生徒の皆さん、また保護者の方々にも温かく迎え入れていただき大変嬉しかったです。ありがとうございました。

(2019年2月21日, 島袋夏妃)

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