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活動報告

公共サービス・ラーニング:北大阪朝鮮初中級学校


未来共生プログラムでは1年次の後期に「公共サービス・ラーニング」という授業科目があります。公共サービス・ラーニングでは履修生が学校、病院、自治体などの現場で実践家の人々とともに実際に様々な活動に従事して、多文化共生社会における実践的な能力を学ぶことを目的としています。6期生の公共サービス・ラーニングも無事に終わり、みなさん、いろいろな学びがあったようです。北大阪朝鮮初中級学校で活動した玉田なつみさん(言語文化研究科・博士前期課程1年)からの報告をご紹介します。受け入れ先でお世話になったみなさま、ありがとうございました。

ウリハッキョ(朝鮮学校)で過ごした日々から

[写真1]北大阪朝鮮初中級学校の外観

私は2018年10月から、大阪府東淀川区にある北大阪朝鮮初中級学校(以下、北大阪)で公共サービス・ラーニングを行いました。ここでは幼稚班から中級部までの在日コリアンの子ども達が、ウリマル(朝鮮語)を使いながら日々勉強やクラブ活動に励んでいます。生徒数は全校合わせて40名程度と少なく、1クラスは多くても7人程度。先生の数も少ないので1人の先生が何科目も担当しておられます。そうした大変な面もある一方で、先生と生徒との距離が近く、学年を超えたつながりも強いため、学校全体が家族のようでアットホームな雰囲気があります。

北大阪での活動としては、私が学部時代に英語を専攻していたこともあり、主に英語の授業のサポートをしていました。中級部2年生と初級部6年生の英語の授業に入り、生徒達とちょっとした英会話やアクティビティをしたり、会話の授業を担当したりしました。少人数とはいえ教壇に立つのは初めての経験で、初めは不安もありましたが、助け合いながら楽しく授業を受けてくれる生徒たちやアドバイスを下さる先生のおかげで、次第に自分も楽しめるようになりました。英語の授業の他にも、生徒のみんなと一緒にお弁当を食べたり、ホームルームに参加させてもらったり、また、授業の合間には先生方に気になることを尋ねたり、自由に活動させて頂きました。何をしてどう過ごすかが自分にかかっていたために戸惑うこともありましたが、自分から生徒たちや先生方に関わっていく良い機会になったと思います。さらに、北大阪で開催された「アンニョンフェスタ」というイベントで大阪大学から出店したり、その他の学校内外のイベントでお手伝いをしたり、日常から行事まで様々な場面に関わることができました。その中で、生徒たちが自然にウリマルを使い、民族楽器や舞踊を一生懸命に練習、披露している姿はとても印象に残っています。

[写真2]英語の授業の様子(中級部)

こうした北大阪での活動を通して、私は在日コリアンという存在を知っていながら、本当の意味で認めていなかったと思い知らされました。いわゆる海外にルーツを持つ子どもの支援には携わってきましたが、同じく海外にルーツを持つはずの在日コリアンのことは抜け落ちていたように思います。日本人として生きていると気が付かない、見えない生きづらさがあること。「ルーツ関係なく」ではなく「ルーツを大事にしたい」という想いがあること。こうしたことに、私は目を向けてはいませんでした。朝鮮学校は、在日コリアンがそのルーツに誇りを持つことができる場所だと思います。しかし、そこから一歩外に出た時に、そのルーツを認めてくれる人はどれだけいるでしょうか。差別的な扱いをしないというだけではなく、朝鮮にルーツを持つことを誇りに思えるように背中を押す。そういう存在が必要だと感じると同時に、まずは自分が背中を押す存在であろう、という想いが生まれました。

(2019年1月31日, 玉田なつみ)

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