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活動報告

公共サービス・ラーニング:CHARM


未来共生プログラムでは1年次の後期に「公共サービス・ラーニング」という授業科目があります。公共サービス・ラーニングでは履修生が学校、病院、自治体などの現場で実践家の人々とともに実際に様々な活動に従事して、多文化共生社会における実践的な能力を学ぶことを目的としています。6期生の公共サービス・ラーニングも無事に終わり、みなさん、いろいろな学びがあったようです。CHARM(Center for Health and Rights of Migrants)で活動した木原琴さん(人間科学研究科・博士前期課程1年)からの報告をご紹介します。受け入れ先でお世話になったみなさま、ありがとうございました。

CHARMでの学びを振り返って

[写真1]CHARM事務所の外観

[写真2]外国人親のための多言語パンフレット

私はCHARM(Center for Health and Rights of Migrants)にて公共サービス・ラーニングを行いました。CHARMは2002年設立した大阪市に認可された特定非営利活動法人です。HIV陽性の人や日本で暮らす外国人の生活を地域で支える事業を行っています。主に、多言語の支援を必要とする人が医療や保健サービスを受けることができるように、医療機関、行政機関、外国籍住民支援団体等と連携して、多言語環境を目指しています。事業内容としては、主に、多言語のサポート、個別支援、グループプログラム、電話相談を行なっています。その他に様々なプロジェクトも実施されています。ここでは、現在進めているプロジェクトの一つである、外国人の母子保健に関するプロジェクトを通して考えたことをまとめます。

日本で暮らす外国人母子を支えるために保健師等、現場の方々と協力し行うプロジェクトに携わる中で、第一に感じたことはプロジェクトに携わる委員の方々の熱意でした。私は、12月に行われた外国人母子保健事業プロジェクトの会議に同席しました。この会議にて印象に残ったのは、保健師の方が現場での様子をなにげなく話された姿でした。保健師の方は、来週訪問予定である母子がロシア人であること話され、ロジア語がわからないからこそ、「はじめてのロシア語」の本を借り、簡単な挨拶等の勉強をしていることを話されました。なにげなく、当たり前のように話されましたが、丁寧に支援する親身な姿勢からは、熱い思いを感じました。第二に、私たちが潜在的に持っている他者への意識、特に外国人への意識について考えました。外国人母子の言語支援を実施するにあたり、保健師の方々の協力を得るために大阪のある区と会議を行いました。会議の中である保健師の方は、外国人は一生懸命関わっても、「定住しない」「気づいたらもういない」と表現しておられ、関係性を築く前に去る外国人への支援にやりがいを感じていないように思いました。この思いの裏を返すと、関係性を築き丁寧な支援を行いたいと思いながらそれができなかった経験が繰り返され、根付いた思いなのかもしれません。しかしどこかに、潜在的に外国人は日本に住んでいる人々ではない、“outsider”(外の者)であるという意識があるのではと思わされました。

上記より、同じように外国人母子に携わる立場であっても、思いには差があることがわかります。そして、この差はその外国人を自身にとって身近に感じているかどうかの違いから生じるのではと考えました。支援に対して熱意を語られる方は、外国人のことを”outsider”と見るのではなく“知り合い”として話されているようにも感じたからです。

これからも現場から学び、自らも出会いの中で教えられ、様々な人を身近に感じていきたいと願っています。CHARMで出会い、多くのことを教えて頂いた全ての皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

(2019年1月31日, 木原琴)

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