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活動報告

プロジェクト・ラーニング(6期生)のご報告

6期生のプロジェクト・ラーニングについて、藤原凪沙さん(人間科学研究科・博士前期課程2年)からご報告です。未来共生プログラムでは2年次に様々な機関と連携し、プロジェクトを企画・実施します。藤原さんたちは北大阪朝鮮初中級学校と連携し活動しました。以下、藤原さんからです。

プロジェクト・ラーニングを終えて~語りでつながる~

[写真1]リビング・ライブラリーの様子
[写真2]交流会の様子

 日本には、様々なルーツを持つ人々が暮らしています。時に彼らは偏見や差別に直面し、身体的にも精神的にも苦しめられています。本年度のプロジェクト・ラーニングでは「在日朝鮮人」に焦点を当て、彼らが日々何を感じ、どんな選択をしながら暮らしているのかについて伺ってきました。とりわけ、大阪市東淀川区にある北大阪朝鮮初中級学校を訪問し、児童生徒や職員の方々と親交を深め、朝鮮学校に通う人々が直面している問題について考えてきました。そして、北大阪朝鮮初中級学校および大阪大学朝鮮文化研究会と協働し、2019年7月20日(土)に当事者の語りを聞くイベント、「リビング・ライブラリー」および交流会を北大阪朝鮮初中級学校にて開催しました。

 「リビング・ライブラリー」(別名:ヒューマン・ライブラリー)とは、いろんな考えや視点をもつ人たちとの対話を通して、先入観や偏見、誤解を乗り越えることをテーマに行われる手法で、語り部を「本」に見立て、「読者」は気になる「本」を選んで話を聞きます。今回「本」役となって頂いた方々には、自身のライフヒストリー(自分史)について話して頂きました。イベント当日は、「本」役5名、「読者」役30名が参加し、「本」と「読者」は対話しながらお互いの理解を深めていきました。 今回のイベントは、1人の「在日朝鮮人」を知ることから「在日朝鮮人」への関心が向けられることを目標としており、参加した多くの方からは好意的な感想を頂きました。また企画した私達自身も、「本」の語りからはもちろん、「読者」の感想からも様々な気づきを得ることができました。しかし一方で、日本と朝鮮の歴史的背景を参加者はどれほど踏まえていたのか、「個人の問題」に思えるものを「日本社会の問題」と結びつけて捉えられたのかを保証することはできませんでした。また「本」が語らなかったこともあったかもしれません。これらは今回のイベントの最大の難点であり、また「語り」を重視するイベントを企画することの難しさでもありました。

 「差別」というと、積極的に、意識的に、攻撃的になされるものだとイメージされるかもしれません。けれども、そのような仕方でなくても、誰でも誰かの「生きづらさ」を助長してしまうことがあるように思います。たとえば「無関心」であることが、知らず知らずのうちに誰かの苦しみを見えなくさせることもあるのです。だからこそ、同じ場所で同じ時間を過ごし、直接言葉を交わすことでできる「つながり」が大事であると感じました。今回のプロジェクト・ラーニングを通して得られた「つながり」がより広く、そして深いものとなるように、今後も活動していきたいと思います。

(2019年7月27日, 藤原)

 
 
 
 
 

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