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活動報告

3期生のプロジェクト・ラーニングのご報告(日本の多様性を考えるプロジェクト)




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 3期生のプロジェクト・ラーニングのご報告です。今回は「日本の多様性を考える」プロジェクトを企画した下朋世さん(人間科学研究科・博士前期課程2年)からのご報告です。同プロジェクトのメンバーは下さんと堀口安奈さん(国際公共政策研究科・博士前期課程2年)、陳文叡さん(同)です。同プロジェクトは公益社団法人 アジア協会 アジア友の会の皆さまからの協力を得て、7月24日(日)に「多様性を知る。学ぶ。考える。ジャパニーズ・フィリピノ・チルドレンからみる日本社会」(場所: 大阪大学中之島センター 7階 702号室)などのイベントを企画しました。以下、下さんからのご報告です。

 

 

多様性を知る。学ぶ。考える。JFCからみる日本社会

[写真1]平松マリアさんのご講演

[写真2]東大阪のフィリピン・コミュニティにて

 「日本国内の多様性―フィリピンを通して見る日本」班は、海外での開発支援事業に長年取り組んでこられた「公益社団法人 アジア協会アジア友の会」との協働でプロジェクトに取り組みました。今回は、協会の海外事業と対になっている国内事業に関連し、日本国内、私たちのより身近な場所にある多様性について、「JFC:Japanese Filipino Children」をテーマに考える場を持ちたいと、セミナー「多様性を知る。学ぶ。考える。JFCからみる日本社会」を企画・実施しました。

 1970年代以降増加した日本人男性とフィリピン人女性の間に生まれた子どもたち(JFC)は、両国間を身体的にも、言語的・文化的にも【移動】しつつ暮らしていると言えます。

 JFCとその家族を取り巻く環境は、来日の年齢や各家庭によって様々ですが、言語的な課題や文化的差異からくる学業、進学、進路の問題、家庭内でのコミュニケーション課題、アイデンティティのゆらぎといった様々な困難は、決して珍しいことではありません。また、両親の関係に伴って、在留資格の問題が生じるなど、母子ともに法的・経済的に不安定な状況に陥ったりすることも少なくありません。

 【移動】に伴い、フィリピン・日本それぞれにおける連続性が、文化的にも言語的にも、そして時に法的にも断たれてしまう、うまく接続されていかないということが、これらの困難の集約点として指摘されるでしょうし、そこには日本社会や各制度の在り方が深くかかわっています。しかし、そうした内実は国内では未だ十分に認知されているとは言えません。

 この問題に関連し、精力的に活動されているフィリピン出身の平松マリアさんへのインタビューや、大阪府国際交流財団、とよなか国際交流協会、東大阪のフィリピン・コミュニティ、Minami子ども教室への訪問を経て問題意識を深める中、この問題についてより多くの人と考える場を持ちたいと、7月24日、中之島センターにてセミナーを開催しました。

 約30人の参加者を迎えたセミナーでは、平松マリアさんを講師としてお招きし、フィリピンに暮らすJFCを取材したDVDの上映や参加者間の意見交換を行いました。また、東大阪のフィリピン・コミュニティからもゲストの方に来ていただき、高校生スピーカーや子どもたちのダンス・グループにも出演していただきました。

 このセミナーを通じて、共生をめぐる諸課題に取り組む各団体・個人の横のつながり、ネットワークの重要性を再確認させられるとともに、こうした取り組みにいかに継続性を持たせるかということを多く考えさせられました。最後になりますが、企画実施に不慣れな私たちがセミナーの開催に至るまでには、関係者の皆さまから多大なるご協力をいただき、通常の大学院生活では得難い経験を通して、多くを学ばせていただきました。この場を借りて御礼申し上げたいと思います。

 
 

(2016年9月10日, 下)

 

 
 
 

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