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活動報告

1期生「海外インターン」のご報告: ハイチ


未来共生プログラムでは3年次に「海外インターン」のカリキュラムがあります。今年度は1期生が4ヶ月から6ヶ月の「海外インターン」プログラムに参加しています。1期生の大瀧千輝さん(言語文化研究科・博士後期課程1年)はハイチでインターンをしました。以下、大瀧さんのご報告です。

ハイチ・インターンのご報告: 家庭訪問の様子

中南米の最貧国に位置づけられるハイチは、1990年代より国際ミレニアム目標と軌を同じくして、すべての子どもに就学機会を保障する「万人のための教育」という目標を掲げました。もともとハイチは、国立・公立学校が少なく、ミッション系・民営の私立学校が大衆の教育機関として機能してきた経緯があり、未だ識字率の低さ、就学機会の不平等が課題になっています。現在は、国際教育協力の援助を受けながら、国家プロジェクトとして教育の普及を推進しており、とりわけ2010年のハイチ大震災以降のミシェル・マルテリー政権下では、教育が貧困や格差を断ち切り、幸福と発展に寄与することができるのか真価を問われています。

[写真1]家庭訪問の様子

[写真2]ハイチの街並み

そこで、私は未来共生プログラムとNGO団体「Cesla」と協働し、ハイチ共和国アルティボニット県ヴェレット郡リアンクールにあるセスラ校において、2015年9月~12月の期間、インターンとして働きながら、調査研究行いました。セスラ校は2003年より、NGO団体「Cesla」が経済的支援を行ってきましたが、実際に現地にスタッフを送り、活動するのは初めての試みになりました。この間、私はマリクレール校長、教職員9名、保護者130名、全校生徒270名の中で、毎朝8時から12時まで、日本から派遣された教員として授業に関わりました。セスラ校の一日は、全校生徒が揃ってキリスト教の宗教歌を2曲、国歌を1曲を歌うところから始まり、幼稚園の年少クラスから小学4年生のクラスまで、それぞれのクラスで授業が行われます。校舎は木の柱にトタンを付けた構造のため、直射日光を遮るものの、クラスの中は暑くなります。生徒たちはその環境の中で、机やイスを同級生にギュッと挟まれながら、えんぴつやノートを手にもち、先生の授業を聞きます。教科書や文房具が不揃いの生徒が多いため、同級生同士で分かち合ったり、取り合ったり、ケンカしたりとクラスの中は常に騒がしいですが、学校が大好きな生徒ばかりでした。一方で、私は学校経営や教職員会議の運営、家庭訪問や地域の学校を訪問するなど、教職員、生徒の保護者、地域社会の営みにも注目しました。ここで気付かされたのは、生徒たちを取り巻く環境は常に厳しいことです。とりわけ、セスラ校のある地域では、安定した収入のある家庭が少ないため、学校から撤退せざえるを得なかった方によく出会いました。

今回のインターンは、報告書作成、学校運営や経理等の事務作業、教職員組織化・セミナーの開催、家庭訪問・学校訪問等の調査研究の設計と実施など、とにかく挑戦の日々でした。また、英語、フランス語、ハイチクレオール語を駆使して、一緒に働く方と調査研究・活動等を遂行する現場力が不可欠であるのはもちろんですが、これまでハイチと日本の関係を築き上げてきたNGO団体「Cesla」の皆さまのご尽力があり、今回の学びがあったことを深く痛感しました。この場を借りて、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

(2016年1月26日, 大瀧)

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