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活動報告

未来共生調査法A: 西淀川区におけるインタビュー


[写真1]林美帆さん(あおぞら財団)のレクチャーを受ける3期生

 初夏の暑さを感じる2015年5月29日(金)、未来共生調査法Aの授業で、大阪市西淀川区周辺におけるインタビュー法の実地学習を行いました。西淀川区はかつて公害訴訟のあったところで、未来共生プログラムでは一昨年、昨年に続いての訪問です。高度経済成長時、第二次産業が日本国中で発展していました。大阪では大阪市此花区、西淀川区、尼崎市などに重化学工業を生業とする会社の工場や発電所が集中して立地し、日本の経済成長を支えていました。また、阪神地区をつなぐ国道や高速道路が建設された。しかしながら、そのような経済成長は当時の西淀川の住民の方々にとっては必ずしも好ましいものではありませんでした。西淀川では、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音・振動、地盤沈下など、あらゆる公害が発生し、住民の方々に深刻な健康被害が生じることになっていたのです。

 3期生は石塚裕子先生(未来共生プログラム)の指導のもと、街づくりの観点より、高度経済成長期の西淀川が置かれていた状況を学んだ後にフィールドに入りました。

 フィールドでは、まず、西淀川の騒音問題を「あおぞら財団」の林美帆さんよりレクチャー頂きました。林さんによると、今では高速道路周辺は騒音レベルを低減するための防御壁が作られており、騒音はまだましにはなっていますが、かつては昼夜を問わずトラックの走る音と排気ガスに悩まされ、周辺住民はその被害に苦しんでいたそうです。

 その後、3期生は西淀川にある緑陰道路に着きました。以前、緑陰道路は普通の川でした。しかし、沿川に立地する工場からの排水により、その水質は汚染されていき、いつの間にか腐敗臭の漂う川へと変貌していました。緑陰道路の入口付近で当時の川の状態を林さんは写真を持って説明されました。

[写真2]緑陰道路を歩く3期生(左から梶田智香さん、眞浦有希さん、岩根あずささん)

[写真3]住民の方にインタビューをする3期生(左から岩根あずささん、梶田智香さん、眞浦有希さん)

 汚染された川は埋め立てて高速道路にする案もあったそうです。しかし、地元住民の運動もあり、現在の緑陰道路になりました。自然がいっぱいの非常に綺麗な遊歩道です。自転車に乗る人、散歩をする人、ひなたぼっこをする人、将棋をする人、近隣の方々の憩いの場になっていることがよくわかります。

 3期生はこの緑陰道路で3人1組に分かれ、付近にいる方々に対してアポなしのインタビューを行う、という課題に取り組みました。

[写真4]緑陰道路のきれいな自然

 岩根あずささん(国際公共政策研究科・博士前期課程1年)、梶田智香さん(国際公共政策研究科・博士前期課程1年)、眞浦有希さん(医学系研究科・博士前期課程1年)の3名のグループも試行錯誤しながら緑陰道路にいる地元の方々にインタビューを試みました。まず、自分たちの身元をきっちりと名乗り、インタビューの趣旨を伝えて許可を得ます。もちろん、忙しい人には断られることもあります。ある人がインタビューに応じてくださいました。「以前、西淀川公害訴訟があったのですが、ご存じですか?」「緑陰道路はくつろげますか?」。住民の方も公害問題に対して詳しい人もいれば、そうでない人もいます。公害訴訟についての意見を伺えたり、意外とあっさりした答えが返ってきたり、おもしろい回答を頂いたりしていたようです。

 3期生はその後、「あおぞら財団」に集合し、インタビュー後の振り返りをしました。次回の未来共生調査法Aの授業ではワークショップ形式で議論を深める予定です。暑い中でのフィールドワーク、お疲れ様でした。

 

(2015年6月5日, 平尾)

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