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活動報告

プロジェクト・ラーニング(「未来架橋プロジェクト」班の報告2)

「子どもキャンパス2014」と「のだむラジヲセミナー」を中心としたご報告

 「未来架橋プロジェクト」は、未来共生博士課程プログラムの野田村サテライトが位置する、岩手県九戸郡野田村をフィールドとしたプロジェクト・ラーニング(以下PL)であり、現地で支援活動を行っている「チーム北リアス」のご支援、ご協力のもと、実施されました。当PL開始のきっかけは、2013年12月から始まった有志活動にあり、それらの期間を含めれば、およそ8ヶ月超に及ぶPLとなりました。

 当PLでは、震災以降の野田村で行われている復興に向けた様々な活動のうち、特に野田村サテライトにおける「未来共生セミナー」と「のだむラジヲ」開局に向けた取り組みの2つに参画させていただきました。近隣に大学の無い野田村において学問や地域活動の拠点としての役割を期待されている「サテライト」や「セミナー」という場と取り組み。また、地域に根差した情報を通し地域の人々を繋ぎ、災害情報発信でも大きな効果を持つであろうコミュニティFMラジオ局設立に向けた「のだむラジヲ」の活動。これら二つの活動を連携させることで、双方の活動が持つ強みを相乗的に高めていくことが出来る体制作りを目指して、そしてこれらの取り組みから生まれるであろう様々な「つながり」が、野田村の復興に幾許かでもつながることを願い、当PLはスタートしました。

[写真1]のだむラジヲセミナーの様子

 当PLの活動全体は、2014年2月11日第12回野田村サテライトセミナー「野田村サテライトに行ってみよう!」、同年3月16日「のだむラジヲ第1回試験放送 、同5月11日第15回 野田村サテライトセミナー「のだむラジヲって何だろう?」「のだむラジヲ第2回試験放送」、7月13日「のだむラジヲ第3回試験放送 泉沢仮設集会場」、そして8月の「子どもキャンパス 2014」、「のだむラジヲ第4回試験放送」というイベントで構成されます。今回は、我々のPLの集大成としての「子どもキャンパス2014」と「のだむラジヲセミナー」を中心に、ご報告いたします。

 2014年8月8日に実施された「子どもキャンパス 2014: 想いのつまったのだの食卓―ホタテとシイタケとおにぎりと」は、野田村の小学生を対象に、野田村でしいたけ農家を営む小野紀行様とホタテ漁師の安藤正樹様を講師としてお招きし、野田村で生産される食材とその作り手の方々の想いを知ることで、日々口にしている食について改めてとらえ直す機会をつくることを目的にしたイベントでした。当日は、まず午前に、主に9人程の小学生に対して、先の講師お二人からしいたけ栽培とホタテ漁についてのご報告をセミナー形式で行っていただき、その後参加者全員でおいしいしいたけとホタテをいただく昼食会を持ちました。午後は、その日の学びや気づき、そして疑問を講師お二人に対する質疑を交えながらワークショップ形式でまとめました。

 「子どもキャンパス 2014」の実施に際しては、このイベントに協力してくださる方々、特に講師を依頼したお二人に「協力をしてよかった」と思っていただけるよう綿密な準備を行いました。この準備過程で気づくに至った、自らの能力の限界を十分把握しながら野田村の方々に寄り添い続ける姿勢の重要さは、PL全体を通して得た我々の学びの一つでもありました。

 またこの「子どもキャンパス」の企画意図には、「野田村の食を改めて知る」という機会の提供とともに、「疑問に思ったことを問う姿勢を重視し、それを共有する」という、勉強とは異なる「学問」のあり方のエッセンスを野田村の小学生に伝えるというポイントがありました。イベント後半のワークショップでは、参加者から質問が多数飛び交い、講師のお二人をうならせる場面も見られたことは、企画・運営側にとっても非常に驚きであり、またイベントの成果でもあったと自負しています。

 「子どもキャンパス」の3日後である8月11日には、18回目の野田村サテライトセミナーとして、「のだむラジヲセミナー」が実施されました。この「のだむラジヲセミナー」は、東日本大震災で被災した東北地方沿岸部12カ所で被災者・被災地の鎮魂と復興の促進を願い開催された花火大会である「LIGHT UP NIPPON」の野田村会場において、「のだむラジヲ第4回試験放送」の一部として実施されたものでした。「のだむラジヲ」は、ミニFM放送を行うとともに、会場の音響を担当させていただきました。放送(会場内上演)は14時30分から20時30分までの6時間に及びました。

[写真2]おいしいホタテとシイタケをほおばる子ども達

 「のだむラジヲセミナー」は、放送開始から17時までの約2時間半で、前半を「大阪大学が学んだ野田村の復興」と題して、大阪大学大学院生未来共生 2 期生5 名が番組を担当し、後半は「作り手と語るのだの食―子どもキャンパス 2014 レポート」と題し、「子どもキャンパス 2014」の活動報告と振り返りを、当日の講師であった野田村のホタテ漁師安藤正樹様と共に行いました。

 「のだむラジヲセミナー」を含めた放送の全体は、これまで行ってきた試験放送と位置づけや立ち位置、そして意味合いが大きく異なるものであり、それだけに大きな困難もありました。しかし「のだむラジヲ」という存在を野田村の方々に知っていただく機会として非常に意義のある機会となりました。

 以上、「子どもキャンパス2014」と「のだむラジヲセミナー」を中心に、我々「未来架橋プロジェクト」のPLについて報告させていただきました。これまでの8ヶ月超に及ぶPLから得たものを総括するとすれば、「「恊働」の現実を垣間見た」という言葉に集約されるのではないかと我々は感じています。つまり「様々な立場の人々とともに、目的に向かって事をおこなうこと」の過程にある新しい人との出会いと関係構築の実際、共通認識を構築するまでの過程の実際、目的の共有確認の方法、それらを行うために必要となる時間などを自らの身体を持って、その一部を経験した、ということです。「恊働」をおこなうための技術・技法、それに先立つ基本的な「人としてのあり方」そして、それらを包括した経験として、当PLは我々にとって大きな学びでありました。当然ながら我々にとっても学びに終止させるだけでは不十分であり、今後の我々の課題として残されている、この経験の継承と継続的な「寄り添い」に向けて、我々は今意気込みを新たにしています。

 最後に当PLを通してご協力そしてご指導くださいました皆様方への改めて御礼申し上げます。

 

(2014年8月21日, 「未来架橋プロジェクト」班)

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