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活動報告

「博士課程教育リーディングプログラムフォーラム2015」のご報告

[写真1]メインホールの様子

 10月24日・25日、ベルサール新宿グランドにおいて東京大学主催で開催された博士課程教育リーディングプログラムフォーラム2015(以下、LPフォーラム)に参加しました。未来共生プログラムからは3期生の5名、教員4名、学外協力者1名の計10名が出席しました。

LPフォーラムは、全国の62のリーディングプログラム、関係する民間企業や官公庁の方々など、多くの人々が一堂に会し、博士人材育成について、互いの日頃の教育・研究の成果を共有し、よりよいプログラムの開発に繋げようとの意図で実施されました。今回のLPフォーラムは3回目の開催です。リーディングプログラムも4年目を迎えているため、約1500名という非常に多くの方が参加されました。

 未来共生プログラムから参加したのは3期生の伊藤駿さん(人間科学研究科博士前期課程1年)、査凌さん(医学系研究科博士課程1年)、陳文叡さん(国際公共政策研究科博士前期課程1年)、堀口安奈さん(同)、増田智香さん(工学研究科博士前期課程1年)と、教員4名。また、日頃からお世話になっている学外協力者であるヒューライツ大阪の朴君愛(パク・クネ)さんがご参加下さいました。

 LPフォーラムでは学生主体のセッション、教員のセッションと様々なものがありましたが、ここでは特に学生フォーラムの様子を取り上げられればと思います。

学生フォーラム1日目

 学生フォーラムはリーディングプログラムの学生が、教育プログラムによりどのような力が身につき、何をどこまでできるようになったのかを示して、より一層効果的で、意欲を持って参加できるような新たな教育プログラムの考察を目的としています。

 課題1「リーダーシップ教育」、課題2「異分野横断や交流」、課題3「グローバル化や国際化」、課題4「産業界や公的機関などとの連携」、課題5「実社会課題に基づくプロジェクトワーク」という5つの課題を事前に選択し、そのなかで10近いグループに分かれて議論しました。今回のLPフォーラムは各プログラムの履修生の参加も多かったため、学生フォーラムの1テーマの会場だけでも、履修生、教職員、学外協力者を含めれば、100人以上の人が参加されており、総勢400名を越える方々が議論に参加しました。

[写真2]学生フォーラム:課題5「実社会課題に基づくプロジェクトワーク」の会場

[写真3]グループ内での意見交換の様子

 課題5「実社会課題に基づくプロジェクトワーク」では、未来共生プログラムの堀口さんが参加しました。10ものグループがあり、それぞれのグループ内での議論も文系・理系、様々な分野の人たちとのコミュニケーションであり、普段、自分の専門の中で使っている言語が通用しない場合もあります。また、実社会の課題といっても、専門領域によって見方が様々です。ある人はインターネットの次のインフラの話題をしたかと思えば、他の人は細菌の話題をし、また他の人は、社会の統計モデルについて語ります。まずは、お互いのプログラムで何を学んでいるか、それぞれの専門がどのようなものであるのか、を知るところから始めました。

 異分野の人々との議論は難しさもありましたが、みなさん、それぞれのプログラムの具体的な情報をうまく取り込みつつ、新しいプログラムのアイデアをうまくとりまとめていました。1日目の最後に課題5「実社会課題に基づくプロジェクトワーク」では相互投票を行い、上位3チームが予選通過となり、2日目の発表に備えることになりました。

学生フォーラム2日目

 学生フォーラムの2日目、初日の5つの課題のなかで予選通過したグループが集合して、午後の発表に向けての準備が始まりました。未来共生プログラムからは課題1「リーダーシップ教育」に参加していた伊藤さん、課題4「産業界や公的機関などとの連携」に参加していた増田さんが所属していたグループが予選通過しました。午前中の準備も色々な研究上のバックグラウンドを持つ他リーディングプログラムの履修生との議論をしつつ、プレゼンテーションを仕上げていきます。ただ、初日の議論で面識ができたおかげか、より充実した議論をしているようでした。

[写真4]課題1「リーダーシップ教育」の課題で発表する伊藤駿さん

[写真5]課題1「リーダーシップ教育」の課題で質疑応答に答える伊藤さん

 午後の発表は、まず課題1「リーダーシップ教育」から発表が始まりました。伊藤さんはリーダーシップ教育を考えた場合、成功が一般的にはよいものと考えれるが、失敗を恐れるのではなく、失敗を評価することが大切である。また、リーダーシップでは、必ずしも表に出るのではなく、裏から支えるようなリーダーシップもある、といった発表をしました。

 課題4「産業界や公的機関などとの連携」の発表では、増田さんが登壇しました。増田さんはユーモアを交え連携についてはなし、SNSの有効性などについて議論しました。増田さんの呼びかけによりフロアが大いに沸き、彼女の降壇後、関係者の方々から多くの激励を受けました。2人の履修生ともに各課題の発表で重要な役割を果たし、本プログラムで培ってきた努力の成果を発揮できたようでした。

 2人のプレゼンテーションは非常に上手でした。それではどのようにそれを学ぶことができたのでしょうか。伊藤さんは言います。「未来共生プログラムの英語の授業でプレゼンテーションでの身振り手振りを交えた伝え方を学ぶことができたことや、間の置き方を学ぶことができたことが大きかったと思います」。また、異分野の人との議論については、「未来共生社会論や東北フィールドワークで色々な分野の人と話す機会が多かったことがよかったです」とのことです。増田さんも「夏の英語研修でプレゼンテーションの際に姿勢を整えて話すことを教わり、練習できたことがよかったです」と言っていました。また、議論の際には、「チームマネジメントを意識しながら進めるように心がけました。ですが、予想もつかない多様な視点があることを念頭に置きながら、それを受け入れつつ、議論を進められるようになったのは、未来共生で学んだことの成果であると思います」とのことでした。

[写真6]課題4「産業界や公的機関などとの連携」の課題で発表する増田智香さん

[写真7]課題4「産業界や公的機関などとの連携」の課題で発表する増田さん

 参加した未来共生プログラム履修生のコメントです。査さんは「異分野の人と英語で話したので、わからない単語も多くあったのですが、お互いに説明し合い、その点ではお互いわからないなかで議論することの重要性を学びました。自分と近い専門の人の中でも全く違う観点で研究している人と出会い刺激を受けました」。陳さんは「『グローバル化と国際化』という自分と関係しそうなテーマでしたが、様々な観点のからの意見があり、異分野交流のおもしろさと難しさを学びました。英語での議論だったのですが、それもよい経験になりました」。堀口さんは「普段、あまり話したことのない分野の人と話すことができて、非常に有意義な機会になりました。とくに理系の人の話を聞くことができて、自分の生活の中での革新的な技術について触れることができたのは興味深かったです」。その他にも、他プログラムの履修生も様々な分野の人たちと話せたのがよかった、ベンチャー企業を立ち上げた経験をお持ちの方と話せたのが刺激になった、実際に光ファイバーを開発された方がいらっしゃったのには驚いた、といった意見が聞かれました。

 参加した履修生5人にとって、普段の成果を発揮できたよい機会となりました。履修生のみなさん、お疲れ様でした。また、当日、お世話になった皆様、ありがとうございました。

 

(2015年10月28日, 平尾)

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