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活動報告

海外インターンシップ(3期生: ペルー)


 3期生の海外インターンシップのご報告です。未来共生プログラムでは3年次に半年ほど様々な国でNGP、NPO、学校の公的組織でインターンとして活動します。下朋世さん[人間科学研究科・博士後期課程2年]はペルーのペルー日系人協会クスコ支部で活動をしました。以下、下さんからです。

インターンシップ@ペルー日系人協会クスコ支部

[写真1]APJ Cusco 外観

ペルー共和国のクスコはアンデス山脈の高地に位置する町で、観光業が盛んです。私がインターンシップを行ったAsociación Peruano Japonesa Cusco(ペルー日系人協会クスコ支部:以下APJ Cusco)は、日本とペルーの文化交流、相互理解の促進を担う組織で、クスコの日本語教育機関の一つです。具体的には、週5時間の日本語コースをはじめ、日本語能力検定試験対策授業や子ども向け日本語クラスを開講している他、現地での日本語教員養成、各種文化イベントの開催を行なっています。私がインターンシップを行なっていた2017年9月~翌1月の学生数は40~50名ほどで、事務長氏と4人の先生方の他、JICA派遣のボランティアの方が働いておられました。リマのように大規模な日系人コミュニティがないクスコでは、継承語としてよりも、観光業でのニーズや日本文化への関心から外国語として日本語を学びに来る方が大半で、イベントや授業の他、職員間でも、スペイン語と日本語両方が使用されていました。

インターンシップでは、私はN2・N3レベルの日本語能力試験対策クラスと子どもクラスを担当していました。また、日本食を販売し浴衣の着付けなどの文化体験教室を開いた「おにぎりパーティー」、市内のアニメ関連イベント「アニメフェスト」、日系人協会の会員さんと学生・職員の交流を目的とした「交流会遠足」といったイベントにも携わらせていただきました。その他、職員間のやりとりに際して通訳・翻訳業務を担ったり、生徒さんからの相談対応も行ないました。

日本語教員としての仕事では、授業を組み立て、準備し、実施する力もさることながら、日本語を教える力そのものや、スペイン語と日本語を瞬時に対応させる力が求められました。同時に直面したのは、私自身の第一言語である北河内の大阪弁と“教室の日本語”をどうすりあわせるかという問題でした。全ての言語がそうですが、一つの言語としてくくられていることばの中には多様性があり、内部に一種の権力関係も生じています。それを言語教育という場でどう扱うかということの繊細さをあらためて考えさせられました。

[写真2]交流会遠足にて

また、今回はじめて日系人コミュニティと関わりを持ちました。日本語教育機関としての側面が目立ちがちなAPJ Cuscoですが、「交流会遠足」は日本の文化体験を視野に入れつつも、「日本とペルーをつなぐ活動」の中ですら見えにくくなっていたAPJ Cuscoの『APJ:“日系人”協会』の部分に目を向けることを目的としていました。企画から実施に携わる中で、40人程度という小規模な基盤の中、世代が進む中で日系人としてのアイデンティティをどう訴えかけていくか、どのような活動を目指していくのかを模索する、『ペルーの日系人コミュニティ』とはまた違った『クスコの日系人コミュニティ』の姿に触れることができました。

 

 

 

 

(2018年8月17日, 下)

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