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活動報告

海外インターンシップ(2期生: インドネシア)


2期生の海外インターンシップのご報告です。未来共生プログラムでは3年次に半年ほど様々な国でNGP、NPO、学校の公的組織でインターンとして活動します。宮前良平さん(人間科学研究科 博士後期課程2年)はインドネシアで防災訓練に関わりました。以下、宮前さんからです。

災害大国インドネシアで防災の未来をつくる

[写真 1]手作りハザードマップ

[写真 2]避難訓練を終えホッとする生徒たち

インドネシアは災害大国と言われています。地震は毎年起きますし、津波は2004年のスマトラ島沖地震のときにあまりに大きな被害が出ました。雨季が一年の半分を占めているので、洪水や地滑りも頻発していて、そうと思えば、乾季の時には、干ばつのリスクも抱えています。しかも、活火山も多くあり、噴火の被害にも目を光らせていなければなりません。非常に大雑把に言えば、インドネシアに住む人は、一緒のうちに少なくとも一回は、何らかの自然災害に遭遇する可能性が非常に高いのです。しかしながら、インドネシアの防災教育は、日本と比べて進んでいるとは言えません。例えば、僕の聞いたところでは、高校生の中で避難訓練を経験したことのある生徒は、1割もいませんでした。

ジョグジャカルタというジャワ島の中部にある歴史ある都市が僕のインターンシップの勤務地でした。そこで僕に与えられた課題は、ガジャマダ大学国際関係学部に通う大学院生たちと恊働で、現地の高校生向けに全5回の授業をデザインし、効果ある防災教育を行うことでした。効果ある防災教育は、さまざまな点で非常に困難です。まず、防災教育に興味を持ってもらうことが難しいという点があります。まだ災害を経験したことのない人に、これからいつ起きるのかも分からない災害に備えよということは、本当に難しいです。次に、それを継続することは、もっと難しいです。継続のためには、生徒たちの自発性自主性を高めなければなりません。災害が起きるまで、防災の伝統を地域に根付かせなければならないのです。

以上の課題を乗り越えるために、僕たちは、様々な工夫を凝らしました。まず、僕が中心となって、日本の事例を伝えました。高校生たちは、日本を、アニメの影響もあり、親しく感じてくれているようでした。そんな日本における防災の現状を伝えることは、高校生たちに「災害は他人事ではない」ということを感じてもらえる契機になりました。次に、避難訓練とアクションプランの作成を行いました。初めての避難訓練に高校生たちに、「おはしも」をインドネシア語で伝えると、非常に気に入ってくれ、学校内での安全な避難ルートを一緒に考えることが出来ました。また、最後の授業の時には、今後のアクションプランを高校生主体で作成し、自主的に防災訓練を行っていくことを力強く発表してくれました。

さて、僕にできたことは何だったのでしょうか。今回のインターンシップで「それなり」のことができたとして、将来災害で、僕が関わった町の高校生たちやその家族たちが亡くなってしまえば、それは、少なくとも僕にとっては、後悔してもしきれないことになるでしょう。でも、まずは、彼らの人生の一部に、今回の謎の日本人と行った防災訓練が編みこまれたということに一縷の望みを託してもいいのかなと思います。災害は、自然の脅威というだけでなく、一人の人間の人生の一部となって初めて「災害」となるのですから。

(2017年4月23日, 宮前)

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