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活動報告

1期生「海外インターン」のご報告: カナダ


 1期生の「海外インターン」のご報告です。1期生の尾﨑俊也さん(人間科学研究科・博士後期課程2年)は2015年11月から2016年3月の予定でカナダ・トロントで海外インターンをしました。カナダでたくさんの学びを得たようです。
以下、尾﨑さんからのご報告です。

海外インターンシップ: 家庭内暴力(DV)加害をめぐる実践を学ぶ

[写真1]オンタリオ湖の夕焼け

[写真2]トロント大学周辺の雪景色

 私は家庭内暴力(DV)加害者のため更生プログラムが社会的に整備されているカナダでのインターンシップ活動を行いました。トロント大学オンタリオ教育学研究所(Ontario Institute for Studies in Education)に研究生として所属するかたちで、DV加害の予防や加害者の再教育などを行っているさまざまな団体に出向くことができました。

 カナダ各州には、心理学的な理論と方法に基づいたDV加害者のための再教育プログラムが用意されています。カナダには、アメリカと同様に、連邦法と州法が存在しそのために、DV加害者更生に関する法律や予算も各州で異なっているため、各州でプログラムの期間や内容も違いが見られます。私の活動の拠点となったトロントを含むオンタリオ州では、執行猶予期間中の加害者に対して12週間のプログラムが行われています。各団体の方針によって異なりますが、ジェンダー・バイアス、男らしさ、所有欲、メンタルヘルスやアディクション(嗜癖)などの観点から、グループワークが行われます。私は、そのようなプログラムを行っている団体に入り、簡単な仕事をしながら、団体職員の方と意見交換を行いました。同時に、所属研究室の院生と加害者更生について意見を交わし、カナダのDV加害者をめぐる実践を学びました。

 トロントは、未来共生2年次RESPECTサマースクールでも訪れた地でありました。その一方で、今回は、自らの研究テーマ・問題関心から受入れ団体を探し交渉しなければなりませんでした。また、6ヶ月という長い期間の滞在でしたので、これまでの海外研修と違って、海外での「生活」を感じる機会でした。自分自身の研究やインターンシップ活動という観点のみならず、「外国人」として身を置きカナダ社会を経験できたことは、非常に有意義なものでした。西洋人の入植から、国民国家として成り立った歴史のあるカナダ社会を植民地主義や民族間の階層関係を抜きにして考えることはできませんし、DVなど暴力が発生する社会構造もそのような要素が複雑に絡んでいます。そのような社会で、暴力の問題を見つめたことは、日本社会の同様の問題を考察する際には、必ず役立つはずです。カナダ渡航前の一連の手続きから実施まで、基本的に自分自身で行ったため、時間と手間はもちろんかかりましたが、一年次、二年次の海外研修とは違って、また新たな経験をもつことができました。基本的に自分自身で行ったと書きましたが、この活動の実施に関して、トロント大学の先生方、院生のみなさんの協力に大変恵まれました。その支援・協力がなければ、このような充実した滞在にはならなかっただろうと思います。日本での研究を行った上で、近いうちにまたカナダを訪れたいと思います。

 

(2016年5月16日, 尾﨑)

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