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活動報告

海外インターンシップ(インドネシア)

海外インターンシップのご報告です。未来共生プログラムでは3年次に半年ほど様々な国でNGO、NPO、学校の公的組織でインターンとして活動します。数実浩佑さん[人間科学研究科・博士後期課程3年]はインドネシアの学校での活動に関わりました。以下、数実浩佑さんからです。

多様性,それ自体が大事

関西国際空港からクアラルンプールを経由してインドネシア・アチェ州のスルタン・イスカンダル・ムダ空港に到着。そこから車で山道を走り,アチェ珈琲が飲めるカフェで休憩を挟んで約2時間。インターン先であるスクマバンサ学校が見えてきました。この学校は私立の小・中・高一貫校で,アチェ・北スマトラで起きた津波の被害と政治的紛争に対処するために,インドネシアのスクマ財団によって設立されました。毎年定員を大きく超える生徒が集まるほど人気の学校です。

[写真1]ドラえもんの歌詞を写す子どもたち

[写真2]書道の体験学習

インターンシップの活動として,授業の場をかりて日本文化について講義をする機会をいただきました。そのほかにも日本語の日常表現の練習,書道や折り紙の体験学習,英語の授業のサポート,日本の防災教育の紹介なども行いました。スクマバンサ学校には日本の文化に興味のある子どもたちが多く,夕方や夜の時間に,日本語を教わりにきてくれた子どもたちもいました。一番人気の授業は,小学校低学年に入ったときの「ドラえもんの歌(日本語ver.)を歌う」の回でした。日本語でドラえもんの歌を歌った後は,インドネシア語のドラえもんの歌を子どもたちから教えてもらいました。講義というよりはお楽しみ活動としての要素が強かったかもしれませんが,多くの先生方が「日本の文化に触れられるのは生徒にとって貴重な経験だからありがたい」と,授業の場をかりることを快く受け入れてくださいました。

はじめての長期の海外滞在を通していろんな気づきがあったのですが,そのうちのひとつとして,ローカル言語と共生社会の関係について書いてみたいと思います。インドネシアの公用語はインドネシア語ですが,多民族国家ということで,何百ものローカル言語があることでも有名です。アチェの人たちはみなアチェ語を話すことができますし,仲良くなったある先生は3つもローカル語を使えると言います。しかしふだんはインドネシア語を使うことが多いそうです。家族と話すときなど特定の場面でしか使わないローカル言語を覚えるのは大変ではないかとも思うのですが,みんな「別に,それがふつう」という感じです。その後も言語について話していたのですが,「ひとつの国にひとつの言語があればいい」というような貧困な言語観が自分のなかにあったかもしれないと,恥ずかしさを覚えました。「自分の母語なんだからアチェ語も使うのはあたりまえ」という感覚は,「効率性を重視する」というような発想が強い社会で過ごしているとなじみにくいかもしれません。しかし多様性それ自体が重要だと考えるのであれば,ローカル言語を大切にすることは,説明するまでもなくあたりまえな考え方に思えてきます。共生社会を目指すうえで大切なのは,みんなにとっての幸せを確保したうえで多様性を保障することではなく,多様性を保障することそれ自体に最重要の価値を置くことにあるかもしれないと,そのようなことを考えました。

(2019年7月1日, 数実)

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