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活動報告

プロジェクト・ラーニング(「37プロジェクト」班の報告)


港区とミナミでの「子どもの居場所」に関するプロジェクト

37プロジェクトとは?

 「37(さんなな)プロジェクト」。この名前は私たちがプロジェクトで関わることのできた大阪市の二つの地域の名称からつけられました。一つは、大阪の港湾地域として発展し、現在は下町の情緒漂う「港区」。そしてもう一つが、中央区から浪速区にまたがる道頓堀、難波、千日前など大阪随一の繁華街の総称である「ミナミ」のエリアです。この二つの地域の名前の頭二つをとって「37プロジェクト」というわけです。私達のグループは、「こども」や「教育」に関心が高いメンバーで構成されているという特色を生かし、この二つの地域で、「子どもの居場所」に関するプロジェクトに取り組むことになりました。

港区でのプロジェクト


当日のチラシ

PDFファイル

 港区では、近年、コミュニティ意識の希薄化も懸念される中、生活や学校教育について困難を抱える子育て世帯や子どもが少なくないことが地域の重要な課題となっていました。これらの課題を解決するための一つの手立てとして、学校や家庭の支援に関わる地域ボランティアの発掘・養成がもとめられていました。そこで、港区役所と未来共生プログラムの学生が協働し、港区在住の18才以下の子どもを対象とした居場所をつくる事業にむけて、地域ボランティアの研修のため講座を実施しました。

 今回のボランティア研修講座の取り組みは地域施設の「港区近隣センター」を利用し合計で4回実施されました。第一回、第二回は大阪大学大学院文学研究科の本間直樹准教授を講師としてお招きし、「p4c(philosophy for childre:こどものてつがく)」と呼ばれる哲学の手法を用いて、参加者全員で「自分にとっての居場所」とは何かを考えました。第三回は、講師に一般社団法人 officeドーナツトークの田中俊英代表をお招きし、ドーナツトークによる居場所づくりの取り組みについて紹介をしていただき、第四回は港区のスクールソーシャルワーカーである岡野嗣男氏に港区の子どもの現状やニーズに関する話をしていただきました。

 そして最後には8月1日に「こどもに必要な居場所(サードプレイス)とは~家庭でも学校・職場でもない自由でゆるやかな場~」と題してイベントを開催し、港区役所での「子どもの居場所づくり」のスタートが切られました。講習会・イベントには港区内外から、地域での子どもの居場所の創出に関して高い関心と志を持つ方々にご参加をいただきました。

ミナミでのプロジェクト


当日のチラシ

PDFファイル

 ミナミでは、外国にルーツを持つこどもの学習支援に興味を持つ若者ボランティアを増やすという目標を掲げ、4つの支援団体へのボランティアツアーを開催しました。今回ご協力くださった4団体は、大阪市内で日本語の習得に困難を抱える子どもへの学習支援を主軸とした居場所づくりを目的として活動しています。教室に通ってくる子どもたちのなかには、学校で日本と母国との文化の違いに戸惑い、日本語習得に困難を抱えているだけでなく、恵まれているとは言えない生活環境にもおかれている子もいます。そのような子どもたちにとって最も安心で安全な居場所づくりを行うその活動意義はとても大きいと言えます。

 しかしながら、活動を継続していく上で、日々の活動を担うボランティアスタッフの安定的な確保が各団体の最重要課題として位置づけられてきました。また現在の活動は教職員OBを中心に組織されており、その専門性の高さに反して、スタッフの年齢構成に偏りがあることも課題点の一つでした。そこで、大学院生という立場を活用し、外国にルーツをもつ子どもたちの教育支援に向けて志をもつ若い人材を発掘することが求められていたのです。

 そこで私たちのグループは、このような活動を行う各団体の取り組みを知ってもらうために実際に各団体に参加し子どもたちへの支援を体験していただく大学生向けのボランティアツアーを企画しました。大阪で行われている外国にルーツを持つこどもを対象とした支援事業を紹介したチラシを作り、大阪府内の大学や施設に設置し参加を呼びかけ、計30名以上の参加者に対して4回のボランティアツアーを開催しました。

[写真1]サタデイクラス

37プロジェクトを終えて

 今回、「37プロジェクト」を通して私たちは沢山の学びを得ることができました。企画の立案のための議論や、区役所や支援団体、広報機関などといった各団体との連携の中には、自らの意志を伝えること、相手の意向を聞き取ることの難しさがありました。企画の実現に向けた、日々の地味な作業の積み重ねが、企画の成功にはとても重要なものであることにも気が付きました。しかし、私たちにとって最も大きな学びであったのは、厳しい生い立ちを持つ子どもたちに想いをよせ、彼・彼女たちに対する支援を、日々の生活のなかで自分ができることから懸命に取り組んでおられる人々に出会えたことでした。今回の出会いを大切にし、今後もそれぞれができる形で、居場所づくりのための活動にかかわっていきたいと思っています。

 最後になりましたが、私達、4名の大学院生に学びの場を提供していただき、共に活動をしていただきました全ての「37プロジェクト」関係者の方々に、この場を借りて御礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。

 

(2014年8月19日, 「37プロジェクト」班 藪中、小林、久保、西)

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